過去の風車

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「じゃあ、桜ちゃんとハル。太めの枝と落ち葉を集めてきて!」 「わかった!お兄ちゃん行こう!」 俺は桜に手を引かれながら枝と落ち葉を探しに行った。 しかし、桜は元気だな。そんなに楽しいのかな? 「桜。あんまり急ぐと危ないよ」 「大丈夫だよ~」 そう言った瞬間に桜は転んだ。 「きゃっ!…痛い~」 「だから言ったのに…」 俺は桜に手を伸ばし、立ち上がらせた。 「えへへ。ごめんなさい。」 それから俺たちは、両手いっぱいの枝と落ち葉を持って穹の所に戻った。 「お!やっと帰ってきた。遅いぞー」 「穹は何してたんだよ?」 「私?私は、道具を出してたんだよ」 確かに。穹の足元には様々な工具が置いてあった。 「な、なぁ穹。まさか今から道具を使って作るの?」 「そうだよ?」 ですよね。…心の底から思うね。帰りたいって。
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