過去の風車

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「ほら、ハル手伝ってよ」 「わかったよ」 仕方ない。穹には敵わないからな。 「桜は何すればいいの?」 「んー…桜ちゃんは、私が言った物を取ってくれればいいよ」 「うん。わかった」 そうして、黙々と作業をしていきあと少しで完成というところまできた。 「桜ちゃん、釘とトンカチ取って」 「はい。穹ねー」 「ありがとう」 このやり取りも何回聞いたか。 辺りはすでに暗くなり始めていた。 「穹ー。もう暗いし明日にしないか?」 「んー…でも、後ちょっとだから」 「はぁー。後10分ね」 「りょーかい」 「桜は帰る準備しといて」 「うん。お兄ちゃん」 そして、10分後 「終わった~。二人ともどうよ?」 「すごーい。穹ねー、本当に凄い」 …まぁ確かに。きちんと家の形をしてるし、屋根には枝と落ち葉を使ってるし。 穹は将来、大工にでもなればいいのに。
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