過去の風車

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「じゃあ、今日は帰りますか」 そう言い、穹が帰る準備を始めた。 「やっと帰れる。長かったー」 「何いってるの?作ったのは私なんだから、私の方が大変だったんだから」 確かにそうかもしれないけどさ… ただ見てるのも大変なんだよね。 「さて、帰りますか」 穹の片付けが終わり、俺たちは帰路についた。 しかし、しばらく歩いた所で桜が声を上げた。 「あっ!忘れ物しちゃった。取ってくるね」 そう言って、桜は来た道を引き返し走っていった。 「ちょっ、桜!」 俺が呼んでも振り向かなかった。 「穹、先に帰ってて。桜のとこに行かないとだから」 「…わかった。ちゃんと帰ってくるんだよ?暗いから道に迷わないでね」 「ああ、大丈夫。何回、穹に連れて来られたとおもってるんだ?」 「あはは。そうだったね。」 じゃあ、とお互いに手を上げて別れた。
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