過去の風車

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「うわぁ~ん。お兄ちゃん、怖かったよー」 桜は蛇がいなくなると、直ぐに俺に駆け寄ってきた。 「もう大丈夫だよ。安心して」 「うん、うん」 桜が落ち着くまで、俺は頭を撫でてやった。 「……えへへ。ありがとう」 どうやら、もう大丈夫のようだ。 「よし!じゃあ帰ろうか?」 「うん!」 どちらともなく、俺たちは手を繋いで帰った。 俺は、少し緊張しちゃったけど桜は嬉しそうだった。 「お兄ちゃん。」 「ん?なに?」 俺が前を向き歩きながら答えたが、沈黙。 気になり、桜の方を向くと満面の笑顔だった。 「大好き」 どうやって答えていいか迷っている間に家に着いてしまった。 「ただいまー」 桜の元気な声が家に響く。それを聞いて俺は思った。 「「大好き」」…それへの答えは―――――――――――――――――ありがとう。これからもっと仲良くなろう。穹と俺と桜でたくさん遊ぼう。
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