複雑な風車

3/14
前へ
/83ページ
次へ
これからも、このままが良いと思うのはいけないことだろうか。 今は幸せだ。 コンコン。 病室を叩く音がする。 「はい?どうぞ、開いてます」 するとドアが開き美鈴が入ってきた。 「おはよう。遥斗くん!」 「おはよう。どうしたの?こんな早い時間に」 そう。時計の時刻は午前5時30分だ。いつも美鈴がくるのは4時間後くらいだ。 「あっ…ごめんなさい。迷惑だったかな?」 美鈴は本当に申し訳なさそうに言った。 「いや、そんなことないよ。いつも暇でしょうがないからさ」 「そう?なら良かった。今日ね、なんだか懐かしい夢を見たの!良くは覚えてないけど。 それで起きてから一人でいるのが寂しくなって…遥斗くんの病室に来ちゃった」 「え?本当に?俺も、懐かしい夢を見たんだよ。」 「そうなの?どんな夢?」 「それが、俺も覚えてないんだ」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加