複雑な風車

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「そんなことないと思うよ?お年寄りの人たちは若い人がいるだけで元気になるって言ってたよ」 「うーん…けどさ、やるならちゃんと手伝いたいしさ」 「あはは。遥斗くんって真面目なんだね。」 「なっ、笑わなくたっていいじゃん」 「そういう訳じゃないんだけどー。」 美鈴め。絶対に楽しんでるな。 「……まぁ、いいけどさ」 その後も、美鈴にからかわれたりした。 「あ!遥斗くん、そろそろ行かない?」 「ん?いいよ。行こう」 何も言わなくても分かるのか美鈴は車椅子を用意してくれた。 「はい。無理はしないで車椅子で行こ?」 そう言われると嫌だとは言いづらい。 俺は頷き、ゆっくりと車椅子に座った。 「じゃあ、押すね?」 「うん。ゆっくり進んでくれよ?怖いから」 「え?そう言われるとなー」
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