複雑な風車

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「ねぇ、遥斗くん。聞きたいことがあるんだけど…」 「え?別にいいけど…何?」 「退院したら、何したい?」 「退院したらか……何だろう?特に思い浮かばないなぁ」 というより、病院での生活も嫌じゃないからな。 「そっか。私はね、あるんだ。やりたいこと」 「美鈴は何をしたいの?」 「えっ?ふふっ。まずね、学校に通って授業を受けたいなぁ」 「真面目だな。美鈴は」 「そんなことないよ。それでね、学校帰りには寄り道して友達と遊ぶの」 そっか、美鈴はなかなか学校に行けないから普通に過ごしたいんだ。 「じゃあさ、二人とも退院したら学校帰りに遊びに行こう」 「え?……いいの?でも、私いつ退院出来るか分からないしさ」 「そんなこと言うなよ!絶対良くなるから。だから…」 「遥斗くん。そうだよね、私が諦めてちゃ駄目だよね」
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