壊れそうな風車

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「いいの。気にしないで」 「それで…あの、美鈴は大丈夫なんですか?」 「良く…はないわね。」 「え?…嘘だろ?」 「あっ、でも今すぐ命に関わるとかではないから」 「そうなんですか?」 「現状はね。けど危ない状態なのは変わらないわ」 「美鈴は手術はしないんですか?」 「手術は体に大きな負担をかけるしリスクもある。それに、美鈴ちゃん本人が拒否してきたの」 「なっ!…どうしてですか?」 「うーん…これは言って良いか分からないんだけど」 「お願いします!教えて下さい」 「しょうがないか。」 好きな子が大変なんだもんね。 その呟きは俺の耳には聞こえなかった。 「それはね。もし手術をして死ぬことがあるなら、何もせずに1日でも多く生きていたいって」 「……そんな。けど、それだと美鈴は―――」
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