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ん?…朝か。
「……あっ!美鈴!」
俺は車椅子に乗り、急いで美鈴の部屋に向かった。
部屋の前に着き、ノックをしてみたが返事はなかった。
まだ寝ていると思い、音をたてないようドアを開けた。
「美鈴――まだ寝てる?」
小声で声をかけてみても返事はなかった。
ベッドに近付いてみると、そこに美鈴の姿はなかった。
「えっ?美鈴?」
いない。どうしてだ?
俺は慌てて病院内を探した。
しかし、見つからなかった。
「はぁはぁ。くそっ、何処にいるんだ?」
これだけ探して何で見つからないんだ?
もしかして容態が悪化した?
いや…それは考えたくない。
いったいどこに?
「あっ!もしかして―」
これでいなかったら俺に美鈴の居場所は分からない。
けれど、心の片隅には絶対にいるという自信があった。
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