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「俺は、美鈴に手術を受けてほしい。」
「それは…どういう意味?」
「そのまんまだよ。美鈴に元気になってほしいから」
「遥斗くん。もしかして聞いたの?」
「ああ。ごめん」
「えっ、あっ、別にいいんだけど…」
そう言うと、やっとこちらに顔を向けた。
「私が手術を受けない理由も聞いたんだよね?」
「聞いた。それでも、俺は美鈴に手術を受けてほしい」
「私はね、リスクが怖くて受けないだけじゃないんだよ?」
「え?………他にもあるの?」
「うん。遥斗くんは気にしないのかもしれないけど、手術跡が残るの」
「でも、それだけで――」
「それだけじゃない!」
今までに聞いたことのないほど大きな声だった。
「手術跡が残るってことは、とても辛いの。」
そう言う美鈴は苦しそうだった。
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