壊れそうな風車

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「それで…話しはかわるんだけどさ」 「うん。手術のことでしょ?」 「あ、うん。そうだよ」 「手術の成功率は70%くらいらしいの」 70%か。決して低くはないが高くもない数字だ。 「そっか。……美鈴はどうするの?」 「うーん。やっぱり手術は恐いけど、好きな人といられるなら――」 「それじゃあ?」 「うん。私、手術受けるね」 「ありがとう。美鈴」 「どうして遥斗くんがお礼言うの?」 「いや、やっぱり俺が言ったことだし…」 「そんなことないよ。あっ!そうだ手術が終わって退院したらデートに行こうよ」 「え?…もちろん!好きな所に連れてってあげるよ」 「本当?うーん、どこがいいか考えておかないとだ」 「うん。だから絶対に手術は成功する。」 「そうだよね、うん。成功するよね」 母親や医師に伝えるということで、俺は邪魔になると思い部屋に戻った。
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