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「ちょっと、あんた何を泣いてるのよ。うわっ、キモッ。」
膝を擦りむき泣いている僕に対し、姉さんは肉親とは思えないような目つきでキモいと罵声を浴びせ続けた。
「貴様・・・、一度ならず・・二度もキモいと言ったな。」
僕は沸々と心の奥底から沸き上がる怒りで、姉さんを睨みつけながら起き上がった。
「だったら・・なに。キモいって言われたのが、そんなに嫌?」
「貴様!?また言ったな!!」
姉さんは僕の怒る反応を楽しむかのように挑発している。
・・・致し方ないか。
普通に瓦を10枚割る事ができる我が一撃。
その一撃をうぬが顔面に食らわしてやるわっ!!
僕は力を込め拳を繰り出した。
「普通にマジパンチ!!」
空を切り裂き、僕の拳は姉さんの顔面に炸裂した。
・・かに見えた。
ヒラッ。
「なっ!!」
姉さんはまるで流れる水のように僕の拳をかわした。
「これは・・・、流水の!?」
「我は水。我にとっては造作もなき事。」
そう言いながら姉さんはゆっくりと近づいた。
僕はここで死ぬ。
死神の手がゆっくりと迫ってきた。
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