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「いよいよ出航だなアレフ。」
僕の前まできたスカル先生は嬉しそうに話し掛けてきた。
「はい、今まで本当にありがとうございます。」
スカル先生は僕がアカデミーに入った時からの担任だ。
留年が決まった時には一緒に悲しんでくれたし、補習も喜んで引き受けてくれた。
「ところでアレフ、これ忘れてたぞ?」
スカル先生はそう言いながら1枚のカードを出した。
「あっ、それは!」
「お前、出航してから取りに帰る気だったのか?」
スカル先生は笑いながら僕にカードを渡してきた。
【栞】
これはアカデミーを卒業した証でもあり、これがないとギルド等で依頼を受ける事ができない。
他にも、これを持っていると生き返ったり、チャージすればお金として使用できる。
要は魔王になるための必須アイテムだ。
「ははは・・、どうもすみません。」
僕は謝りながらスカル先生から栞を受け取った。
「まった・・く・・・・。」
その時だった、突如先生が何かを凝視し動きが止まった。
辺りも突如現れたその存在にざわめきだした。
僕はゆっくりと振り返った。
「どうしたの、アレフ?」
そこには血まみれのフラウ姉さんがキョトンとした顔で立っていた。
姉さん・・・。
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