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甲板に出ると既に部屋に荷物を置き終えた何十人もの卒業生が、港にいる家族への別れの挨拶でごった返していた。
なんで僕だけ・・。
そんな思いを胸に僕は船員を探し回った。
「文句のひとつでも言わないとね!」
「うん!!」
「アレフ、ほら船員ならあそこにいるじゃない。あっ、そこにも。」
「分かってるよ!」
確かに静のいうように出航の準備もあってか船員達はそこかしこにいた。
だが、海の漢というだけあっていずれも屈強そうな漢ばかり。
しかも、出航の準備のためか皆一様に忙しそうにしている。
当然、チキンハートな僕はなるべく弱そうな人を探していた。
・・・・・・・・いた!!
僕は急いで駆け寄り、開口一番
「おいっ!!!なんで、僕の部屋が物置部屋なんだよっ!!!!!」
他の船員には聞こえないような声で詰め寄った。
「ほぇ~、なんですかのお~?」
齢80を越えているだろう老人が耳に手をあて聞き返した。
ふふっ、ビビってやがる♪
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