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舌戦では相手が怯んだ時に自分ペースへ持って行くのが勝利の鍵となる。
僕は老人相手に更にまくし立てるように攻勢を続けた。
「だいたい何なんだよ特別室って!!物置部屋じゃねえか!!」
「おい!!聞いてんのか!!」
「僕を誰だと思ってやがる!!アレフ=シュタット様だぞ!!!」
「・・あんた、老人相手に何言ってるのよ・・・情けない。」
静の言葉は僕の脳内でノイズとして処理された。
老人はというと手足どころか身体全体がプルプル震えており、僕にビビっているのは間違いない。
そう舌戦に勝利したのだ!!
僕は自分の立場を更に優位にするべく追い撃ちをかけようとした。
すると、先程までプルプル震えるだけだった老人が何やらファイルのような物をめくりはじめた。
なんだ?
「・・アレフ・・アレフ・」と僕の名前を呟きながらファイルをめくる老人。
そして。
「プッ♪」とふき出し、僕に向かってファイルを突き付けた。
「君、『補欠』合格じゃよ。じゃから、物置部屋なんじゃよ♪ぶひゃひゃひゃ♪」
「なっ!?」
僕は老人からファイルを奪い取った。
そこには確かに僕の名前の所に『補欠』と赤い印が押されていた。
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