旅立ち

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「もぉ~、朝から何騒いでんのよ~。」 天蓋付のティッシュケースの箱を使ったベッドの中から、せっかくの眠りを邪魔された妖精の静が迷惑そうに声をあげた。 「静もいつまで寝てるのよ、早く起きなさい。」 「は~い。」 フラウ姉さんはいつものように静に注意し、僕へ振り返った。 「アレフも今日が出発でしょ、早く仕度しなさい。」 「わかったよ。」 いつもの事とはいえ仕方なくといった感じで、僕は布団という名のエデンから抜け出した。 「・・あんた・・ズボン脱げてるわよ。」 いつもパジャマの下には下着をつけない僕。 姉さんの言葉は僕の琴線にふれることなく、僕はまるで武士(もののふ)のごとく全裸になり服を着替えた。
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