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「・・・ごちそうさまでした。」
味は最高といえ旅立ちの朝に豚足を食べた僕は少し陰欝な気分になった。
「じゃあ、私も・・・ごちそうさま。」
「あれっ、ふたりとももういいの?いつもの半分も食べてないじゃない。」
姉さんは僕等の食の進み具合に驚き、更に豚足をすすめようとした。
「いや、大丈夫っす!」
僕は少し力士風に断固拒否した。
さすがにこれ以上、朝食で豚の足にしゃぶりつく気にはなれない。
「じゃあ、タッパーに入れておくね♪」
「えっ?」
そう言って姉さんは山盛りの豚足を幾つものタッパーに詰めはじめた。
透明な容器に詰め込まれた豚足は異様な雰囲気を醸し出している。
僕は豚足が好物な事を激しく後悔した。
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