殺意の霧

3/8
前へ
/8ページ
次へ
 人が踏んだ形跡のない獣道。いつの間にか、いつもとは違う道を歩いていた。  帰り道なんか体が覚えているので特に意識していないのだが、今日に限って道を間違えるなんて。  疲れのせいか溜め息をつき空を見上げる。  上を向いても暗黒が広がるばかり、再び溜め息をつき、なんだか疲れが余計に増した気がした。  ――それから前を向いた時、すぐに違和感を感じた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加