殺意の霧

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 赤味を帯びた闇の向こうから声が聞こえる。  耳が感じてるのではなく意識に直接呼びかけている感じだ。  こっちだ……。  ……コッチダ…………。  その声の主はわからないが俺を呼んでいることはわかる。  見えはしないが手招きしていることもわかる。  俺は黙ってその声のする方向へ足を進めていった………。  ……也。  今度は別の声がする。  今まで呼ばれている方とは反対の方向から聞こえる。  ……達也…………。  その何かは俺の名前を呼んでいる。どっちに行っていいのかわからず足を止めた。
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