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え？
伊吹の旦那の事？
‥‥男らしい方どすぇ。
いつも、うちの見世に、
通って来てくれはります。
その時、色々、
聞かせてくれはるんやけど、
何でも、大江山の、
鬼さん等の、大将らしいどすぇ。
家来やら、ぎょうさん、
従えてるんやって。
齢十七で‥‥大したもんや。
酒の呑みっぷりも良うて、
見てて気持ちええわ。
‥‥初めは、「お客はん」
やったけど‥‥。
何度も通ってくれはる内に、
うち、旦那の事‥‥。
今は、ほんまに、
お慕いしております。
いつか、うちを、
買うて貰えたらええな、
なんて、夢みたいな事迄‥‥。
あ、旦那には、
言わんといて下さいや。
うち？
うちは、神崎の遊里の猫又、
明石、言いますわ。
あんさんも、いっぺん、
寄ってやぁ。
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