そのために。

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雨音が、聞こえる。 * 『椿はいかがです?』 いきなり椿をたくさんカゴにいれた青年が声をかけてきたので私はびっくりして立ち止まった。 椿?どうしてそんなもの売るの? 『さぁ。』 さぁってなによ 中学生引き止めたって買わないわよ 『僕はいまここで椿を売る、という役目のために生まれた気がするのです』 …は? なに、危ない人なのアンタ 『ふふ、アナタはさっき何をしていましたか?』 え……っ?…… …思い出せない …むしろ、中学生と言う前私は中学生でも無かった気がする。 『ほら、聞こえませんか?彼が考え…文字を打ち込む音が』 え?え? じゃあ私はなんなの? まさか この世界は 『僕たちは思考の産物です。 生かすも汚すも創る人次第。 あぁ…でも僕は椿売りで良かったです。あなたも、いいキャラクターではありませんか。主人公なんて。』 ちょっと待ってちょっと待ってったらまだ待ってまだ考えさせてそんなはずないわ待ちなさいよ待ちなさいよ待ってよお願い!! 『生んでくれてありがとう』 まだ存在してたいのよ! 画面を閉じないで、お願いだから…っ! いやあああああああ―――!! * ‥――――――――パタン。 思いつきが文字列になった画面を閉じた。 さて、資料でも作ろうか。 そしてまた、雨音。
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