★プロローグ★

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未だに目に涙を溜めている少年に、あたしは思わず… 「プッ、あははは。」 笑ってしまった。 「てめえ、ふざけーー『人に名前を聞く前にお前が名乗るのが礼儀だろ、尊(タケル)』」 あたしは、声のトーンを普段の高さに戻し、言った。 少年ーー尊は、すごく驚いた顔であたしを見てきた。 「え…。 “煉(レン)”なの…か?」 死人でも見たように呟く尊。 「ふ…久しぶりだな。」 あたしはそう言って、今までかぶっていたフードを脱いだ。 .
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