第3章:【学校】

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朝… 学校の準備をして ある部屋に来る。 その部屋には仏壇しかない。 恵「行ってくるね お父さん」 1度座り仏壇にある写真を見つめ線香をあげるとそう言って立ち上がる。 ウチのお父さんは… ウチが8歳のときに とある殺人事件に巻き込まれ… 亡くなった。 それからお母さんは 女手1つでウチを育ててくれた。 毎日遅くまで働き 家事も全部してくれる。 家事なんて… 自分がしなくちゃいけないのに… そう… いつも思い、悔やむ…。 料理はできる。 でも… いつも1人で作って 1人で食べるから… お母さんには 何もしてあげられない。 お母さんは元々料理好きだから 休みの日にウチがやろうとしても『いつもしてないからたまには料理をしたい』と言って させてはくれない。 後ウチにできるのは 洗い物だけ… でもお母さんは 洗い物を料理のついでに やってしまう。 洗濯物は軽い物しか ウチは干せない…。 掃除は高い所ができない。 ということは 結局家事ができても 肝心な所は誰かとじゃないとできないから お母さんがいないと何もできないんだ。 そう思ったウチは 自分の左腕を見つめ 右手で左腕を強く握る。 こんなふうに毎日自分を悔やむ…。 正確には… 何もできない原因である 左腕を…。 ウチはある日… 事故にあって… 左腕の腱が切れて 左腕が肩より上に 上がらなくなってしまった。 そして右腕も… 事故のせいで昔より 握力、腕力が弱くなり 洗濯物は干せないし 重たい物も持てない。 そんなウチに負担をかけまいと お母さんは家事をやってくれる。 だからウチにとってお母さんは とても掛け替えのない 大切な人…。 …………と ヤバイヤバイ ボーッとしてたら 遅刻する!! 恵「お母さん 行ってくるね」 いつも通り リビングに居るお母さんに向けて挨拶をすると家を出る。 まぁ… 本人に聞こえてるのか ぜんっっっぜんわからないけど💧  
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