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…と、そんな事を考えていて俺はある事を思い出した…
(そろそろ、帰らないとナツが寂しがってそうだな…)
そう、今家にはナツが一人で俺の帰りを待っているんだ…
家を出る時に見たナツの顔を思い出して、早く帰ってやらなければと携帯の時間をチェックする…
見れば家を出て二時間半が経とうとしていた。
「じゃ、俺は帰るからな」
竜治を適当にあしらって帰ろうと試み、ここからそう遠くない家に向かって、急ぎ足で歩きだしたものの、やはり後ろからついてくる…
「ついて来るなって…」
「いいだろ今日くらい…一緒に過ごそうぜ?…つか、そのケーキ誰と食うわけ?」
「お前には関係ない」
あまりのしつこさにイライラしながら返事をしつつも、足は動かしているため少しずつ家には近づいていく…
(まずいな…もう家までそう遠くない…)
どうにかここから引き返してもらおうと後ろを振り向けば、竜治はなにやら嫌な笑みを浮かべていた。
「おい、竜治…お前いい加減に…「こっからお前の家まで競争な!」
何かを企んでいる事になんとなく気づいて『いい加減にしろ』という言葉を発したつもりだったが、言い終わるより早く竜治が言葉を放ち、いきなり走りだした…
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