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外に出ると冷たい風が吹く。
まだ冬の寒さが残っている。
桜の木の下にいる彼女のもとに近づいていく。
「この桜きれいだよね」
彼女に声をかけてみた。彼女は驚いた様子で振り向く。
「あ、ごめん。驚かせちゃった」
「いえ、別に…」
意外と小さいんだな。俺が175くらいだから、160くらいかな。
などと思ってたら、彼女が話しかけて来た。
「きれいですよね。去年来て、大きな桜の木だなって驚いたんですけど、花が咲くときれいでさらに驚いて、つい見とれてしまうんですよね。私、桜が好きなんです」
結構喋る子なんだな。
「すいません。馴れ馴れしくて…」
彼女が謝る。
「いいよいいよ。俺も好きなんだよね、桜」
「そうなんですか!」
これほどがあるのかというくらい彼女の目が輝いてる。
それからいろいろ話した。時間はあっという間に過ぎた。
キーンコーンカーンコーン。
昼休み終了のチャイムが鳴る。
「あっ、もう時間だ。そろそろ戻らないと」
「そうですね」
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