第一章

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場転・ホテル (SE)ドアが開く音 ディートレイ「! おかえり。新入社員気分はどうでしたん?」 リヒト「……オマエまだいたのか。そろそろ仕事くんじゃねーの、本部戻れよ」 ディートレイ「ぼくもそうしよ思ったけど、長官にお届けもんあるねん。あの人どっか行ってもーたから、きみなら居場所知っとるかなって」 リヒト「知らね。つかオレならってなんだよ気色悪ぃな」 ディートレイ「だってきみのお父さんの親友やん。プライベートでも関わりあるやん」 リヒト「…………。ねーよ」 ディートレイ「……ん? ……あ、……え、な、なんか……えらいすんまへん」 リヒト「意味もわかんねーで謝んなよウゼェから。――で、ユリアンに届けものってなんだよ」 ディートレイ「えっ、あっ、ええと、あの人がめずらしく落としもんしてはって……これ」 ユリアンが落とした写真をディートレイがリヒトに差し出す。 写っているのはノノン。 リヒト「……こいつ」 ディートレイ「え、この子知ってはるのん?」 リヒト「……」 リヒト(M)「――あの子ども、結局なんだったのかわかんねえまま見失っちまった。 ……殺すべきだったんだろう、夢遊病者なんてふざけたもんじゃなくても。 迷ったつもりはない。でもたぶん、あいつ……」 リヒト(M)「5年まえの、オレも知らないことを知ってやがる」 ディートレイ「リヒトくん?」 リヒト「――ああこいつ、知ってる。知ってるとも。こいつユリアンの恋人じゃねーか。あいつロリコンなんだよな。素材のいい子どもを選んで育てて理想の女に(全部棒読み)」 ディートレイ「きみは長官に対するぼくの認識をどうしたいん……?」
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