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ユリアン『――おや、ディートひとりか。ピンク頭はもう行ったようだな』
ディートレイ『あー、長官や。ごきげんうるわしゅう。リヒトくんは就活してくるんやて』
ユリアン『ニーベルか。任務はふたつ渡したが、そっちを先にやったのか……賢明だな』
ディートレイ『小さい警備会社乗っ取ってどうしますの?』
ユリアン『足掛かりをつくるんだよ、確実な信頼と実績で、急がず焦らず―――天国への、な。4年でできれば上出来だ』
ディートレイ『また大掛かりな……。リヒトくんは正攻法ムリや言うとったけど、大丈夫やろか』
ユリアン『あいつだって、伊達にエースを名乗っているわけではないさ。うまくやるだろう』
ディートレイ『あららら。そういうんは、本人の前で言うもんですよ。あれでも子どもや。喜びますよ』
ユリアン『喜ぶものか、あいつが』
ディートレイ『……リヒトくんが諜報員になったんは、長官のためやありませんか。
あなたの片目を潰したんは自分やって、あの子、』
ユリアン『わたしの“ため”ではない、わたしの“せい”だ。目のひとつやふたつ、親友の忘れ形見に比べたら……』
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