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「魔道士ですよね、いくつですか?」
「14だよ。領主様の屋敷に住んでる子でね、小さいけどしっかりしてるんだよ」
14歳。
魔道士となるには些(イササ)か若過ぎる年齢だとエリアは感じた。
「じゃあまだ成り立ての新米か……」
「新米なもんか。あの子が志願してから1年経つんだ。もう立派な魔道士さ」
「え? じゃあ13歳からですか?」
あからさまにエリアは驚いた。
魔法を使うくらいなら幼くてもできるだろうが、魔道士になることはまた勝手が違ってくる。
女主人はその少女について話してくれた。
得意顔で、まるで身内自慢のようだ。
「私は魔法に関しちゃ素人だけどね、討伐隊にも編入してんだから腕は確かだよ。何度か危ない魔物と戦ったこともあるし」
「へー、いわゆる天才ってやつですか?」
そう訊ねると、女主人は照れたような愛想笑いを浮かべた。
「若いから、本当に天才なのかもしれないね。でもそれ以上にあの子は努力家だよ。難しい本読んで、大人に並んで訓練こなしてさ。同じ努力ができるかっていえば、私には無理だろうね」
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