‡一章‡

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  今度は女主人が訊いてきた。 「お客さんはどうなんだい? ハルドボアを1人でやっつけちまったじゃないか」 「あはは、あたしは結構好き勝手やってましたから、努力とか全然ですよ」 「そうなのかい? ケガひとつなくケロッとしてるじゃないかい」 「まあ、全然って言っても天才じゃないんでそれなりにはしましたよ、努力。でも他の人と比べてたくさんかっていうと……我ながらたくさんとは言えない感じです」 自分で言って脱力しエリアはカウンターに突っ伏す。 その状態のままアップルパイの最後のひと口を摘んで食べた。 「でもちょっとその子に会ってみたいですね。契約精霊とか、何としてるんだろ」 女の魔道士が珍しいわけではないが、そんなに若い魔道士なら興味も出る。 それは同じ魔道士としてでもあり、1人の人間としてでもだ。 「気になるならここで待ってなよ。討伐が終わったら、たぶんあとでこっちにご飯食べに来るからさ」 「ほんとですか!!」 バッと顔を上げてエリアは目を輝かせた。  
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