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今度は女主人が訊いてきた。
「お客さんはどうなんだい? ハルドボアを1人でやっつけちまったじゃないか」
「あはは、あたしは結構好き勝手やってましたから、努力とか全然ですよ」
「そうなのかい? ケガひとつなくケロッとしてるじゃないかい」
「まあ、全然って言っても天才じゃないんでそれなりにはしましたよ、努力。でも他の人と比べてたくさんかっていうと……我ながらたくさんとは言えない感じです」
自分で言って脱力しエリアはカウンターに突っ伏す。
その状態のままアップルパイの最後のひと口を摘んで食べた。
「でもちょっとその子に会ってみたいですね。契約精霊とか、何としてるんだろ」
女の魔道士が珍しいわけではないが、そんなに若い魔道士なら興味も出る。
それは同じ魔道士としてでもあり、1人の人間としてでもだ。
「気になるならここで待ってなよ。討伐が終わったら、たぶんあとでこっちにご飯食べに来るからさ」
「ほんとですか!!」
バッと顔を上げてエリアは目を輝かせた。
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