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「ねぇねぇおばさん、その子って可愛いんですか?」
「何だい藪から棒に。お客さん女だろ?」
「いやいやいいじゃないですかー、可愛い可愛くないは全世界共通ですよ。前もって情報入ってる方が話しやすいでしょうし?」
言葉尻を疑問形で結んだエリアは鼻歌まで歌い出した。
愉快そうな彼女に女主人は呆れたような笑みを見せた。
「まさか変な趣味とかないだろうねぇ?」
「ないないゼロですってば。可愛かったらいいなっていう希望はありますけど」
「そうかい、じゃあ信じるよ」
女主人はより親しげににんまりと笑った。
別に本気で訊いたわけではないのだ。
「でもお客さん、そういうのは自分の目で確かめた方がいいと思うよ?」
「え~、そんなー!」
「そりゃ私からすりゃ自分の子どもみたいに可愛い子だよ。優しいし気立てが利くし、たまに店の手伝いもしてくれるからね」
「うわ、絵に描いたような優しい子じゃないですか。余計気になるなー」
「ははは、これ以上は言わない方がよさそうだね」
「ひっど~い。大人をからかうもんじゃないですよ?」
エリアの声にも楽しそうな感情しかなかった。
遊びに似た、たわいない語らいだ。
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