頼み事

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裕太は駐輪場に自転車を置くと、すぐに籠からボールを取り出してポンポンとリフティングを開始した。 ―お~~~~! 裕太は篤斗程ではないが、運動神経が良く、小、中学校と県代表に選ばれるほどの実力だ。 実際、この学校にもスポーツ推薦で入学しており、裕太が入学した年から星光高校は県大会毎年初戦敗退から、いっきにベスト16まで躍進した。 そのため今年はかなり期待されている。 篤斗が校庭を木の裏から眺めると、既にチラホラとサッカー部員が練習を開始していた。 これも恐らく裕太効果なのだろう。 そんな活躍をしている裕太はやはり、校内では女性からの人気が高い。 あまり露見はされていないが、陰で告白を何回もされているようだ。 篤斗が後ろを付けて裕太がシュートをする写真をいくつか撮っていると、続々とサッカー部員達がやってきた。 勿論、三年の先輩もいる。 その全員が裕太の方へ集まりだした。 よほど信頼されているのだろう。 裕太が皆に練習のメニューを言い渡すと、すぐに散らばって練習を始めた。 勿論、その姿もシャッターに納める。 その後もいろいろな角度から裕太の写真を撮り続けた。
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