ＫＩ・ＲＩ・Ｕ

始まり

－1940年5月－

それは突然始まった。

ｲｷﾞﾘｽ軍のﾌﾗﾝｽ撤退後、原因不明のｳｨﾙｽがｲｷﾞﾘｽの南部を中心に蔓延、その一ヶ月後にはｲｷﾞﾘｽ全土に拡大した。

犠牲者は数十万人に上り、医療品が不足、混乱の為に電気は停止し、交通機関は麻痺した。

ﾄﾞｲﾂ軍に潜入中のｱﾒﾘｶのスパイからの情報によると、ﾄﾞｲﾂ軍の偵察機がﾄﾞｰﾊﾞｰ海峡を越え、ｲｷﾞﾘｽ領空に侵入したが、対空砲や戦闘機による追撃は皆無、ドッグに停泊中の艦船にも動き無し、と報告がされた。

7月に入ると、ｲｷﾞﾘｽとの通信が完全に途絶えた。
これに危機を感じたヨーロッパ各国は感染を阻止する為、ｲｷﾞﾘｽを隔離し、国交を完全に断絶、船舶による医療品などの輸送も打ち切った。

しかし、ﾅﾁｽﾄﾞｲﾂを率いるヒトラーは側近の反対を押し切り、これを機会にｲｷﾞﾘｽ本土に南東から上陸、占領する計画を立てた。

そしてその数週間後、ﾄﾞｲﾂ陸軍九個師団と予備戦力の六個師団、及び降下猟兵、装甲集団による侵攻作戦が空軍述べ一千機の支援の下、実行された。

作戦名は

【ゼーレーヴェ作戦】

である。