第二話

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優秀な局員が集まっているとはいえ、たかが一部隊にこれ程の広さの空間シュミレーターだと? .....頭が痛いと言うしかないな。 そしてそれを自慢げに語っているこの一尉殿もおかしい。 いったいこれがどれほどの事なのか理解しているのか? この機動六課の設立には本局だけでなく、地上本部も予算をだしているのだぞ? ただでさえ人員不足に加えて予算まで少なくなってきているとゆうのに...。 しかもこの部隊はあくまでも試験運用であり、一年後には解体されてしまう...。 これでは金をどぶに捨てる行為としか思えん。 やはりこの部隊はどこかおかしい。 若すぎる部隊長にベテラン局員のいない部隊、無駄に金のかかる設備、そしてそれを認知していない部隊長陳...。 この部隊は本当に試験運用が目的なのか?何か別の目的で設立されているのではないか? でなければこんなことは... 「…許される事ではない。」 「え?フォルクスさん、何か?」 「いえ、何でもありません。」 いかん、あまりの常識はずれに口からもれていたか。 この事を今この場で追求したところで意味はない。 やはり一度この機動六課の事を調べ直したほうがいいな...。もとよりも此処に出向するのにも、その人事に三提督の名がでてくる時点でおかしいのだ。必ず裏があるはず...。 しかしゲンヤ部隊長も大丈夫だと言っていたが、これの何処が大丈夫なのだろうか?もしやどこかで情報の食い違いが起こっているのか?それとも...。 「あの~すいません。」 「ん?何、スバル?」 「えっとなのはさんじゃなくてフォルクス陸曹に質問なんですけど...。」 「なに?」 私にか? 「えっと、フォルクス陸曹はもしかして元首都防衛部隊所属だったりします?」 「む、確かにそうだが……そうか、おまえはスバル・ナカジマだったな。」 「はい。フォルクスさんの事は父さんと、後母さんから聞いていました。」 「……そうか、クイント准陸尉からか。」 もうあの事件から8年もたつのだな...。 「ではスバル二等陸士、いや、スバル。おまえは…あの8年前の事件の事は知っているのだな。」 「…はい、あの時の事は今でも覚えています。」
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