車に運ばれた出会い

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次の休みに 恵の欲しいと思った車が置いてある 車屋に足を運んだが、一週間しか経っていないのに、売約済みの貼り紙が貼られていた。がっかりする恵の姿を見ていた店員が「予算は?あれと似たやつを、仕入れてきてあげるから。」と言ってきた。恵は車のことは全く分からない為に そんなことができるの??という表情を浮かべていた。 そして 予算や、希望、詳細を用紙に記入し、店員に渡した。すると店員は驚いていた。 「まだ19歳なんだね…。」と恵に言った。「はい。でも もうすぐ20歳です。」と恵は言い返した。 誰がどこからどうみても 恵は19歳には見えない。 「未成年だとローン組むのに親に保証人になってもらわなきゃいけないんだけど、大丈夫?」と聞かれ、就職し地元を離れてから 一度も帰省していないことに恵は気が付いた。 両親と、連絡を取るとはいえ、もともと地元を離れたのも、母親の再婚相手の義父を恵はあまり好きではなかったからだった。 「母親でいいんなら、頼めると思うけど…。」と恵は返事をした。 「頭金とかあるの?」とまたすぐ質問をされ、「100万ぐらいなら貯金してます。本当はローン無しで買いたかったから。」と恵もまたすぐに返事をした。「若いのに ちゃんと貯金してるんだね。」と店員は少し安心しているようだった。
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