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「私とは別れて下さい。散々お世話になって痣で返すようなことして本当にごめんなさい。私のことは忘れて下さい。」
「嫌だよ…。忘れるわけないだろ…。俺が嫌いか?」
「好きですよ。でも、そんなの許されるわけないでしょ?」
「俺、何でもするよ。お前らの為なら。」
「…。」
「俺と結婚して、子供を産めよ。」
「結婚って…。私達付き合い始めたばかりですよ。」
「俺は何年も好きだったんだよ。今から一生傍にいさせてくれよ。頼むから。」
「馬鹿ですよ。」
「いいんだ。それがいいんだよ。この部屋の家賃も恵が仕事を辞めたら払えなくなるだろ?食っていくこともできないぞ。だから俺働く、俺が生活費の面倒を見るから、恵はここで俺の洗濯したり、飯作ったりしてくれよ!!そしたら俺も助かる。今だって実家暮らしだけど、生活費、親にぼったくられてる上に洗濯なんか自分でしてるし早く出て行けとか言われてるんだよ。今からは恵も俺を助けて?その子の父親にもならして?」
「祐司さんはそれで幸せなんですか?」
「幸せだ。」
恵はまた泣いていた。祐司の想いの深さに泣いた。もっと早く気付けば良かったと少し後悔もしただろう。
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