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病院の帰り道、恵の向かう方で恵のことを見ている男性が…。仁だ。
「何で?」
「ごめんね。どうしても我慢できなかった。君と赤ちゃんを見たくて。」
「何言ってるの?」
「僕の子供だよね?」
「違うよ。」
「旦那さんいい人だね。僕とは比べものにならないくらい恵ちゃんのこと大切にしてて。恵ちゃんが妊娠に気づいた頃、一樹の所に来て、本当のこと話してくれた。それからたまに君の様子を教えてくれてた。会いたくてたまらなかったけど、今日まで我慢した。昨日、旦那さんに許可をもらった。もうすぐ頑張って母親になる恵ちゃんと、話してくれって言われた。このことに関して一度も話してないよね?最後に僕にチャンスをくれない?」
「私はあなたに未練はありません。この子だって、祐司さんの子供だから産むのよ。チャンスって一体何?私は結婚したの。邪魔しないで。だからってあなたを恨んだこともない。あなたに似て、優しい子になってくれることを願ってよ。そして、あなたも幸せになって。私達の存在を忘れるぐらい幸せになってよ。」
「恵ちゃん、僕は何もしてあげられないの?」
「車のメンテナンスぐらい、たまにはして下さい。もちろん、祐司さんがいいって言ったらだけど。」
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