さよならも言えなくて。

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血の繋がりのない実里と、血の繋がりのある隆司に祐司は分け隔てない愛情を注いだ。 たった一人だった恵が、いつも3人と一緒に過ごし、寂しいだなんて思わなくなった頃だった。 セイヤと毎日歩いた道、走り回った公園を、今は3人で歩き、走り回っているよ。 セイヤの永眠を、4人はしっかり見送った。 泣くのを我慢している恵を祐司は強く抱きしめた。 「セイヤは、家族の中で一番恵のことを見てきたから、絶対に天国でも見ててくれるよ。」 セイヤは自分の所に来て幸せだったのか…。どんなに考えても答えは分からなかった。 「また犬飼うか?」 「私は、もう一人じゃないから大丈夫!!」 「そうか!!」 (セイヤ、さよならは言わなくてもいいよね? 子供達が大きくなって祐司さんと老後を送った後に、あなたにまた会えると信じて これからの人生を送ります。あなたが私にとっての初めての守る者だったのに守られてばかりでごめんね。) 恵は、セイヤにそう思いながら生きていく。 セイヤのおかげで辛いことを乗り越えてこれた感謝の気持ちを込めて…。
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