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「こんにちは。彼氏とデート?いいの入ったら一緒にドライブするんでしょ?」という店員の言葉を マズイという表情で聞く恵と、何の話?と聞いているヒロの2人の姿を見て、店員も空気を読んだらしく、
「恵さん、また連絡します。」と一人で勝手に喋って 逃げるように2人の前から去って行った。
「ヒロ、ちょっとカフェでも行こう。話したいから。」と恵が言っても、ヒロは無言で、ついてくるだけだった。
カフェの席に着くと、先に口を開いたのはヒロだった。
「車?買うの?」と率直に恵に聞いた。
「分かったよね?でも まだ検討中よ。ローン通るかも分からないし。親に保証人になってもらわなきゃいけないし。ヒロには分からないかもしれないけど、私いつも自転車でしょ?それだと、セイヤのご飯とか小さいのしか買って帰れないし。近い所にしか行けないでしょ?だから、買おうと思ったんだけど、言ってなくてゴメンね。」と言った恵に対して、ヒロは
「俺が頼りないから、言ってもしょうがないと思ったんだろ?」と、冷めたように恵に言った。
ヒロに言われたことは、半分は当たっていたので、恵は何も言い返せなかった。
せっかくのデートが台なし、それに数日が過ぎても ヒロはスネたままだった。
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