車に運ばれた出会い

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2人がうまくいっていた時期は、一体 いつの頃までか分からなくなっていた。 ヒロは、車を買うことを言ってもらえなかったことも ショックだったが、もしかしたら、車を買う気だったから、お金を貸してくれなかったんじゃないかと 考えていた。 今は 歌う場所もなく、恵の家に居座り着いて一日中、何もしない。完全なニートだ。恵が働きに行く時間に一緒に起きて、「いってらっしゃい。」と言うこともせず、恵が疲れて帰ってきても、家事を手伝うこともしない。 恵はだんだんと ストレスを抱えていたが、ヒロの為だと思い、 「ヒロ、本当に歌手になりたいの?ただ、ダラダラしてるだけじゃ、なれないと思うけど。」 とヒロに言った。 「じゃあどーしろって言うわけ?」と返された。 「あのさ…、これ、私の地元にある音楽の専門学校のパンフレットと、毎年 地元のテレビ局がやってるミュージック オーディションの申込書。友達に頼んで送ってもらった。」 “オーディション”という言葉にそれまで寝そべって聞いていたヒロが、起き上がって 「オーディション?そんなんあるんだったら早く言ってよ!!」 「あのね、そこから間違えてるでしょ!?色々 調べなきゃいけないんじゃないの?」 恵は少し呆れ気味の表情を浮かべた。
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