車に運ばれた出会い

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(ヒロの歌大好きだから、オーディション頑張って) 恵はオーディション当日まで、そう思い ヒロの合格を願っていた。 しかし、ヒロはプレッシャーで、オーディション前夜から当日の朝方まで、飲み明かしていた…。そんな状態でオーディションに行けるはずはなく、ヒロが目覚めた時には、オーディションは終わっていただろう。 恵は自分の地元で、会場の場所も知っているので、ついて行こうと、何度もヒロに電話をしたが、電話に出ることのないヒロに何かあったのではないかと心配したが、やっと電話に出たヒロの声を聞き、呆れてしまった。 ヒロは恵に謝ることもなく、二日酔い状態で、機嫌が悪く、逆ギレ状態でもあったのだ。 「私もう、ヒロのこと応援するのやめる」と言って恵は電話を切った。 悲しそうな恵の膝上にセイヤがチョコンと座り恵を慰めているかのようだった。 そして恵は、 (ヒロに気を使うことなく、自分の思うままに過ごそう)と思ってしまったのだった。
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