車に運ばれた出会い

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恵は、母親が大好きだった。 その大好きな母親が好きになった男性と幸せになれるのであれば、実の父のことを忘れ、義父を好きになろうとさえした。 「恵はまだ未成年だから、車買うのも、ローン組むなら、親の保証がいるでしょうが?早く言ってくれんとね。車いいのあったの?」 母は車購入を反対するどころか、保証を引き受けてくれる様子だ。何故だか恵は涙が出そうになっていた。 「今ね、予算に合わせて、探してもらってる。車屋さんにも、親の保証がいるって言われてたから連絡しようと思ってたんだけど、いきなり保証人になってなんて言い辛かったから。ゴメンね。」 「お母さんでいいんなら、そんくらいのことしてあげるから、あんまり無理して、昼も夜も働くんじゃないのよ。身体 壊したらどうするの?車が決まったら、ローン用紙送ってきなさいね。」 「お母さん…。ありがとう。お母さんも、無理しないでね。」 と久しぶりの親子の会話だった。
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