車に運ばれた出会い

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お母さんがヒロみたいな男性と付き合ってるなんて知ったら、どう思うんだろう…。 きっとお母さんは、私の思うままにしなさいって言ってくれるんだろうね。 こんな切ない気持ちになるなんて、お母さんの力って何なんだろう…。涙ぐむ恵の膝上には、セイヤがチョコンと座り、そのセイヤの頭をいつもより数多く撫でる恵だった。 ねぇ ヒロ??私は貴方が何に向かっているのか分からないよ…。 せめて、もう少しでいいから、本気な気持ちを私に見せて。と恵は思い、いつまでも ヒロのように 自由気ままな人と付き合っていくわけにはいかないよ。と恵は、とうとう、ヒロにこういう日が来た。 「来月中までに、今まで貸したお金返してくれるか、アルバイトでもいいから、仕事決めてくれなきゃ本当に別れるから…。」 と、直接会って言うわけでも電話で言うわけでもなく、絵文字のないメールで伝えた。会話をすると喧嘩になると思ったのであろう。 それに恵には 喧嘩をして仲直りをする自信もなかった。
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