無意識。

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それなりに ヒロとの生活や、仕事に夜のアルバイトをやりこなしながら、車が早く直らないかと思っていた恵だった。 恵は あの整備士の人、何歳なんだろう?彼女とかいるのかなぁ?と考えてしまっていた。とても親切だったことが 恵に好印象を持たせてしまったのであろう。 ヒロは最近 恵はなんだか優しくなったような気がしていた。前のように疲れがドット貯まっているような感じもなく、なんだか楽しそうに見えた。 「恵?車 修理いくらかかるって?」 「作業が終わってみないと正確には分からないらしいけど、だいたい5~6万円だって!!」 「俺が金返せたら、恵が夜のバイトまた増やさなくてよかったのに、ゴメンな。」 とヒロが言ったら、前の恵なら冷めた表情で 「分かってるんなら 態度に出せば??」 と ヒロを睨んだことだろう。 でも今はというと…、 「車 買うだけ買って、修理しなきゃいけないことなんて 考えてもなかった。せいぜいガソリン代とか、税金、車検、あと任意保険の支払いぐらいだったよ…、これで一つ勉強になりました。」 と笑いながら言っていた。しかも嫌みではなく、本心のようだし。 何が恵をこうさせたのか、分からないけど、ヒロは助かったと思っていた。
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