第二章

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なのに…。 そうだと思っていたのに…。 あ、れ? 住宅に囲まれた細い道路。 ここは私の裏道。 朝は通勤ラッシュが激しいため駅の真ん前の大きな道路をさけ、人があまり通らないこの裏道を抜けて駅に向かっていた。 もちろん、学生の姿は見ない。 みんな大きな道路を歩いていく。 私しかこの裏道を知ってる人はいないと思っていた。 だけど、少し前を同い年ぐらいの男の子が歩いている。 同じ制服─…。 どうやらその男の子は同じ学校らしい。 会いたくないな…。 気まずい雰囲気になりそう。 どうか、そのまま前を見て歩いていて下さい!! どうか、後ろを振り向かないで下さい!! 前にいる男の子に心の中で呪文のように唱える。 完全におかしな人だ。
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