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心の奥底にしまっておいたものが揺れ動く。
嫌だ
忘れたの
溢れ出しちゃ、ダメ
全力疾走で通り過ぎる。
はずだったのに。
「───…!!」
右手が後ろから引っ張られて、バランスを崩した。
転ぶ──…ッ!!
直感的にそう感じてギュッと目を瞑った。
───────────…
…あれ?
思っていた痛みはいつになっても感じない。
「───未海…」
その変わりにすぐ近くで声がした。
瞑っていた目をゆっくりと開ける。
「──…っ!?」
目の前には日向くんの顔。
右手を掴んでいた逆の手で、左肩を支えられていた。
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