第二章

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心の奥底にしまっておいたものが揺れ動く。 嫌だ 忘れたの 溢れ出しちゃ、ダメ 全力疾走で通り過ぎる。 はずだったのに。 「───…!!」 右手が後ろから引っ張られて、バランスを崩した。 転ぶ──…ッ!! 直感的にそう感じてギュッと目を瞑った。 ───────────… …あれ? 思っていた痛みはいつになっても感じない。 「───未海…」 その変わりにすぐ近くで声がした。 瞑っていた目をゆっくりと開ける。 「──…っ!?」 目の前には日向くんの顔。 右手を掴んでいた逆の手で、左肩を支えられていた。
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