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何年ぶりだろう…。こんな間近で彼の顔を見たのは。
「久々に見た。お前の顔」
「───…!」
落ち着いた顔で話す日向くんに、ハッとして俯く。
。
「おばさん元気?」
「───…ぅん…」
「ちゃんと寝てる?」
「───…ぅん…」
「ご飯も食べてる?」
「───…ぅん…」
彼は一体、何を言ってるの──?
俯いてた顔をゆっくりとあげる。
「…─やっぱ、無いほうがいい」
「───…ぇ…?」
いわれた言葉が理解てきず、間抜けな声が出てしまう。
彼はしゃがみこんだあと呟いた。
「メガネ、外すなよ?」
掴まれていた右手に軽く重みがかかる。
視線を移した右手には黒縁メガネ。勿論、私のもの。
「じゃあ」
彼は一言そう言い残して去っていった。
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