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────ぁ…。
ハッとしたころには彼の姿はもうなかった。
それと同時に視界がボヤケていることにようやく気づく。
メガネ…。
右手にあった黒縁メガネをゆっくりとかける。
ボヤケていた視界が一気に正常なものになる。
─────無いほうがいい
あの言葉はなんだったのだろうか─…?
私はからかわれてるだけなのかもしれない。
ズキンと胸が痛んだ。
カタカタと奥底にあるものが揺れ動く。
もっと頑丈な鎖をつけないといけないのかもしれない。
溢れ出してしまったら制御出来なくなりそうで怖い。
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