第二章

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────ぁ…。 ハッとしたころには彼の姿はもうなかった。 それと同時に視界がボヤケていることにようやく気づく。 メガネ…。 右手にあった黒縁メガネをゆっくりとかける。 ボヤケていた視界が一気に正常なものになる。 ─────無いほうがいい あの言葉はなんだったのだろうか─…? 私はからかわれてるだけなのかもしれない。 ズキンと胸が痛んだ。 カタカタと奥底にあるものが揺れ動く。 もっと頑丈な鎖をつけないといけないのかもしれない。 溢れ出してしまったら制御出来なくなりそうで怖い。
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