第三章

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お母さんが用意していた服は普段では着ないようなもの。 何らかの集まりでは何度か着た服。 薄いピンク色でふんわりとした生地の膝丈ワンピース。胸元には少し大きめのリボン。肩には透き通ったピンク色のレース。 それにプラス、白いフワフワのストールを肩から下げる。 学校や普段の生活とはかけ離れた格好にいつになっても慣れない。 いつもつけているメガネも外しコンタクトをいれ、癖っ毛のおさげ頭は垂らしてある。 普通だったら鏡を見て自分の姿を確認するのだけれど、私はそんなことまでしない。 自分がどんな顔でどんな格好をしているかなんて目に見えてるから。 リビングに用意してあったバックを持って玄関に向かった。 そこにはすでに用意を済ませたお母さん。
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