第一章

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─────… ──── 「みいちゃん、一緒に帰ろ!」 「いっくん!」 家が隣通しのため登下校はいつも一緒だった。 手を繋いで帰るのも当たり前で。 でも、それは小2までの話し。 小3になった頃からは、登下校は当たり前でも手を繋ぐことはなくなっていた。 それでも会話や遊びは今までと変わらず。 「いっくん今日ね、お母さんが遊びにきたらって言ってたの」 「マジで?!みいちゃんのお母さん優しくていい人だから好き!」 「本当?!でも、いっくんのママも優しくていい人じゃない?」 「俺のお母さん、怒ると鬼みたいなんだもん」 こんな普通の会話でさえ、私は嬉しかった。 手を繋がなくなっても、いっくんの隣で笑いあえるのが何より嬉しかった。 だって、私はいっくんが好きだから─…
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