第一章

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何年か時は経ち、あっと言う間に私たちは小学6年生になっていた。 いっくんとは高学年になるにつれて、どんどんと会話が減っていった。 それでも登下校は毎日一緒。 大きくなるにつれて顔立ちも性格も大人になっていったいっくん。 周りには女の子たちが見る見る内に集まっていった。 「郁斗くんは好きな子とかいるの?」 「今度お勉強教えて」 「郁斗~!明日遊び行こうぜ!」 「放課後サッカーしようぜ」 男の子たちもいっくんに群がっていった。 反対に私は、人見知りの恥ずかしがり屋で慣れた子としか上手く話せなかったため、友達が少なかった。 いっくんが羨ましかった。自慢のお友達だった。
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